店長のモチベーションを上げて儲かるガソリンスタンドにするには

経営の姿勢

定休日の導入を却下した理由

 複数店舗を展開するガソリンスタンド運営会社に勤務していたある店長は、かねてから定休日が欲しいと思っていました。自分を含め長時間労働が蔓延化し、自分が休みの日も人員不足で出社せざるを得ず、従業員のミーティングもろくに開催できていないため、定休日を設ければ、それらがある程度は緩和できる、という点がそもそもの理由でした。

 そこで、ある日、店舗の視察に訪れた自身の上司にそれを伝えてみました。それを受けた上司の発言は概ね以下の通りでした。

 「この店が1日休むとガソリンの販売量が3キロリットル無くなる。1か月は4週間だから、週1の定休日だったら月12キロリットル無くなる。うちは20店舗展開しているから月間で240キロリットルの販売量がなくなるわけで、これは1~2店舗のスタンドを失うことに等しい。だから定休日の導入なんて、とんでもない。」

パフォーマンス・キラー

 パフォーマンス・キラーとは、コーチングで用いられる用語で、組織メンバーを激励し指導しようとしているつもりでも、メンバーのモチベーションを下げたり、自信を喪失させたりしている関わりのことを言います。

 このパフォーマンス・キラーには次の3つの類型があるとされています。

 1.メンバーの行動を認めず、評価を下す
 2.メンバーの意見を受け止めず、問題解決に走る
 3.メンバーや問題に向き合うことなく、逃避する

 上記3類型のうち、「3.メンバーや問題に向き合うことなく、逃避する」は、さらに以下の3つの類型に分けることが可能です。

 (1)転化:問題のポイントをすり替えたり、違う話題をはじめたりする
 (2)論理武装:正論のみを述べて、物事を収束しようとする
 (3)元気付け:「大丈夫だよ」「きっとうまくいく」など根拠もなく安心させようとする

部下の話を転化することによりモチベーションを下げる

 前述の定休日導入を却下した上司の対応は、上記類型の「(1)転化」に該当するでしょう。 店長は、過酷な労働条件を緩和し、店内のコミュニケーションを向上させるために、定休日の導入を提案しました。このような問題を抱えている店長に対して、上司は問題のポイントをすり替え、ガソリンの販売量減少を却下の理由としています。さらに、全店が週1で定休日を設けた場合へ話を拡大し、販売量減少を大きなものに見せかけています。

 この上司が行うべきことは、定休日の導入を提案してきた店長の店が抱える問題を解決する手助けをすることです。なぜ長時間労働になっているのか、なぜ休日がとれないのか、なぜミーティングを開催できないのか、といった問題の原因を突き止め、解決を手助けすることです。

 仮にそれらの問題を解決できなかったとしても、また、諸々の事情で定休日が導入できなくても、その上司が店長の話に対し、真摯に向き合ったという事実は残ります。それが、店長のモチベーションの源泉となることは十分考えられます。

 理屈をこねくり回して部下の話を一蹴することは上司としては簡単なことかもしれません。ですが、簡単な選択肢ばかりを選んで行動する上司は、部下から失望され、部下のモチベーションが上がることはないでしょう。
 店長のモチベーションを上げて儲かるガソリンスタンドにするには、店長の上司や経営者が勇気を出して困難な選択肢に挑む、という点が挙げられるでしょう。

 余談ですが、冒頭の写真は、私が昨日、心理カウンセラーの心屋仁之助氏が主催するオープンカウンセリングに参加した際に、いただいたカードです。
 心屋仁之助オフィシャルブログ「心が風になる」https://ameblo.jp/kokoro-ya/
 心屋のオープンカウンセリングhttps://www.kokoro-ya.jp/counseling/counseling-open/

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