大きな売上を作ることの出来るガソリンスタンド店長の共通点

経営の姿勢

ガソリンスタンドの店長に経営陣が求めること

 複数のガソリンスタンドを運営する会社では、前日に各店舗から本社が実績報告を受け、翌朝にそれらをまとめ、各店舗の実績が記載された一覧表を作成し、それを日々、ファックスやメールで各店舗へ送信しているケースも多いでしょう。

 その一覧表とは、燃料油販売量と油外収益、そしてオイル、タイヤ、バッテリー、洗車といったその細目、そしてそれらの販売予算に対する達成率となっているケースが多いと思います。

 店長会議でも同様に、燃料油販売量と油外収益の確保が主要な話題となっており、それらの販売予算達成率が低い店舗の店長は、身を小さくして会議に参加しているのではないでしょうか。

 つまり、多くのガソリンスタンドの店長は、燃料油販売量と油外収益に意識が向いており、そのように経営陣が仕向けているとも言えます。

量を追う業界の体質

 かつては、燃料油のメーカーが、店舗の燃料油販売量に応じて、仕入れ値を事後的に調整していました。このことが、ガソリンスタンドの経営者を販売量重視の姿勢に走らせることになりましたが、これは、単にメーカーに踊らされているだけで、自社を経営しているとは言い難いのではないでしょうか。そして、現在は、メーカー単体で生き残ることが厳しい中、ガソリンスタンドの経営者にとって、仕入れ値の事後調整は期待できないでしょう。

 油外収益にしても同様です。仕入れ値の事後調整を見据えた、オイルの販売量やタイヤの販売量の管理を否定はしませんが、売上の管理は、それ以上にしっかり行うべきと考えます。なぜなら、売上は販売の量だけでなく質(単価)も考えなければならないため、店長に商売の基本が備わるためです。

商売を考える際の基本とは

 売上があっても利益が出ていなければ意味がありません。ですが、売上がなければ利益はありません。販売量さえあれば利益が出るとは言い切れないことは、現在のガソリンスタンドの経営者ならば容易に理解できるはずです。

 儲かるガソリンスタンドを作るには、その店舗の売上高、原価、経費、利益、といった損益計算書レベルの数値を現場の人間が、少なくとも店長は知っておく必要があります。
 事業運営上、重要な売上高について、ガソリンスタンドを預かる多くの店長は自店のそれを知りません。知っているのは、自店における燃料油販売量と油外収益、そしてその細目です。

 そもそも、燃料油の販売量のみに偏った管理、店舗収益の一部にしか過ぎない油外収益のみに偏った管理では、店舗全体を管理しているとは言えないでしょう。世間一般に自分が預かる店舗の売上高を知らない責任者を「店長」とは言わないはずです。

 高い売上高を作るためには、現在の売上高を知る必要があります。利益にしても同様です。多くの利益を得るためには、現在の利益を知る必要があります。

 大きな売上を作ることの出来るガソリンスタンド店長の共通点の1つとして挙げられることは、極々単純なことです。自店の売上高を知っていることなのです。

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