小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例⑤

小規模事業者持続化補助金

 「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」として、切り分けをすること、具体的に書くこと、創意工夫の特徴を盛り込むことで、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性の向上が期待できます。

1.小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容編】

 小規模事業者持続化補助金を活用して、広告などに関する費用を調達するために、ある鍼灸整骨院の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。

 今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<補助事業経営計画>内の「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2020年8月13日時点の内容に基づいています。

 同院が事前に書かれてきた内容には、まず「【チラシ・パンフレット等の広報紙】【WEBの活用】【ゼミの開催】を行う」とあり、その下にそれぞれの取組みが記載されていましたが【チラシ・パンフレット等の広報紙】の内容を整理すると、概ね以下の内容になりました。

  1. 近隣住民向けの新聞折り込み用チラシと、近隣住民・学生向けのパンフレットを作成する。
  2. 新聞折り込み用チラシは、A4サイズ両面印刷とし、保険診療となる接骨・整骨・鍼灸をPRするとともに、当院のホームページに誘導するためのQRコード等を盛り込む。
  3. パンフレットは、A4サイズ両面印刷とし、厚口コート紙巻3ツ折りサイズで保存していただけるものとし、特に当院の特徴となる美容鍼灸やボディケア、美容整体の説明を盛り込んだものを作成する。
  4. 当パンフレットは、半径〇キロ以内の約△△世帯に郵便局のサービスを活用してポスティングを行うとともに、公共施設や商工会議所、スーパー・百貨店等に、合計▲▲部を置いていただく。

 これらの内容をどのようにブラッシュアップしていったかを以下でご紹介していきます。

小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容編】(1)切り分けをする

 同院は、チラシもパンフレットも同じ紙媒体ということでひとつにまとめて記載したのかもしれませんが、それぞれの体裁も活用方法も異なっていますので、タイトルは【チラシ・パンフレット等の広報紙】ではなく【チラシの作成】【パンフレットの作成】と切り分けた方がすっきりします。

 切り分けが細かすぎるのは逆効果ですが、このように活用方法が異なるのであれば、切り分けた方が読みやすくなりますので、計画内容の理解が深まることが期待できます。

小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容編】(2)具体的に書く

 小規模事業者持続化補助金へ応募する際のルールブックである「公募要領」は日本商工会議所もしくは全国商工会連合会のホームページからダウンロードできますが、その中に下図「審査の観点」が示されています。

 今回のコラムで取り上げるのは、赤枠で囲んだ「補助事業計画は具体的で」「創意工夫の特徴があるか」という部分ですが、まず「具体的」について見ていきます。

 「具体的」をネット辞書でひいてみると「一般的なものや観念的なものではなく、個々の事実によっているさま」とあります。よって弊社では、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)で構成される5W1Hを明確にすることをお勧めしていますが、同院が作成したいチラシの5W1Hを明確にした例は以下になります。

 【チラシの作成】

  • いつ作成するのか(When):採択決定後~○年◎月まで。
  • どこで作成するのか(Where):●●市の印刷会社△△。
  • だれが作成するのか(Who):印刷会社△△の担当者▲▲を中心とした同社制作部。
  • なにを作成するのか(What):保険診療となるサービスの特徴をA4サイズ両面でPRするチラシ。
  • なぜ作成するのか(Why):当院の存在とサービス内容を近隣住民に周知するために作成する。
  • どのように作成するのか(How):予めチラシのレイアウトや盛り込む内容は、印刷会社△△の担当者▲▲氏と打ち合わせをしておき、採択後、交付決定通知書の到着をもって発注。1週間毎に作成の進捗状況をご報告いただき、作成する。

小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容編】(3)創意工夫の特徴を盛り込む

 前述の「審査の観点」で着目したい部分として「具体的」の他に「創意工夫の特徴」も挙げました。補助金を使ってチラシを作るのであれば、そのチラシにどのような工夫を施したか、ということですが、同院の場合、ホームページに誘導するためのQRコードを記載した点が「創意工夫の特徴」と考えられますので、5W1Hで説明をした後に、「創意工夫の特徴として…」という一文を盛り込みました。

 このようにして「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の中の【チラシ・パンフレット等の広報紙】をブラッシュアップしていただきましたが、次回はそれ以外の補助事業のブラッシュアップを見ていきます。なお、同院の事例をご紹介したこれまでのコラムは以下となります。

2.当コラムの解説動画

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