小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例⑥

小規模事業者持続化補助金

 「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」として、内容の切り分け方に留意し、補助金を使う事業は何かを明確にし、記述の整合性をとることで、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。

1.小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例[販路開拓等(生産性向上)の取組内容の書き方編]

 小規模事業者持続化補助金を活用して、広告などに関する費用を調達するために、ある鍼灸整骨院の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。

 今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<補助事業経営計画>内の「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」として記載された内容を見ていきます。

 同院が事前に書かれてきた内容には、まずその概要として「【チラシ・パンフレット等の広報紙】【WEBの活用】【ゼミの開催】を行う」と記載がありました。【チラシ・パンフレット等の広報紙】に関する内容は小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例⑤で見ましたので、今回は【WEBの活用】【ゼミの開催】の内容を採り上げますが、この内容を整理すると、概ね以下となりました。

 【WEBの活用】
①既存ホームページの検索エンジン対策(検索キーワードの追加、変更)、リスティング広告の活用(ランディングページ作成、「腰痛」などで検索した場合に広告表示)
②ランディングページには以下の内容を掲載する。
腰痛の原因とその対処法(ストレッチの仕方など)、治療法
・当院のウリである「美容鍼灸」「ボディケア」「美容整体」の動画
【ゼミの開催】
 ①いつまでも美しく健康でいられるための美容・健康ゼミを開催して、体の仕組みや美容・健康維持の対策法を説明し、来院のモチベーションを高める。
 ②ゼミは、平日1回と土曜日1回の月2回、当院の休憩時間となる午後2時から3時までの間に少人数を対象に開催する。

 さらに見ていくと、【スポットライトを設置】という項目もあり、これを整理したところ、概ね以下の内容となりました。

【スポットライトの設置】
①夕方から夜間にかけて近隣の店舗照明に当院の照明が負けてしまっており、当院の存在が薄れてしまっている。
②看板及び店舗を目立たせる照明を設置して、地域の防犯と安全のために役立てたい。

 当コラムでは、これらの内容をブラッシュアップしたポイントを見ていきます。

小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例[販路開拓等(生産性向上)の取組内容の書き方編](1)「何に補助金を使うのか」で切り分ける

 【WEBの活用】では、①と②がキレイに切り分けられておらず、混在している印象を受けました。このような状況に陥ることを防ぐには「何に補助金を使うのか」という観点で切り分けることです。

 そうすると、この【WEBの活用】として実施したいことは、①検索エンジン対策の実施、②リスティング広告の実施、③ランディングページの作成、という形で切り分けることができます。

 なお、①検索エンジン対策はSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策とも呼ばれ、ユーザーの検索結果に対して、同院のサイトを上位に表示するために行う対策を指します。

 ②のリスティング広告は、検索結果に連動して表示される広告を指し、同院では、ユーザーがその広告をクリックすると、③のランディングページが表示されるようにしたいと考えています。

 このランディングページですが、通常のホームページと違って、営業トーク的な情報量が多く、縦長かつ幅広いレイアウトである、問い合わせやご注文に直結するように他のページへのリンクが少なく画面を広く使っている、デザインが派手でインパクトが大きい、といった特徴があります。

小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例[販路開拓等(生産性向上)の取組内容の書き方編](2)「補助事業」を書く

 今回見ている「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」は<補助事業計画>の一部です。よって、当然のことながら補助金を使って行う「補助事業」について記載することとなります。ですが、前述の【ゼミの開催】は補助金を使うわけではありませんでした。よって、補助事業でなければ削除して、できるだけシンプルにしていただきました。

小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例[販路開拓等(生産性向上)の取組内容の書き方編](3)補助事業の「概要」と内容に整合性を持たせる

 同院はスポットライトの設置にも補助金を使用したいと考えていました。ですが、「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の概要として、冒頭に「【チラシ・パンフレット等の広報紙】【WEBの活用】【ゼミの開催】を行う」と記載していました。

 これでは、冒頭に記載した概要とそれに続く内容に整合性がとれませんので、概要から【ゼミの開催】を削除し、【スポットライトを設置】を加えていただきました。

 今回は「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」をブラッシュアップしたポイントとして(1)「何に補助金を使うのか」で切り分ける、(2)「補助事業」を書く、(3)補助事業の「概要」と内容に整合性を持たせる、を挙げました。

 次回は「4.補助事業の効果」を見ていきますが、以下は当シリーズのバックナンバーですのでご参考にして下さい。

小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例⑤
小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例④
小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例③
小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例②
小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例①

2.当コラムの解説動画

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