【実録】ガソリンスタンドがタイヤ販売を倍増させる3つの行動

客単価向上

1.タイヤ販売を倍増させるための行動

 ガソリンスタンドでは、ガソリン以外にも様々な商品、例えば洗車、エンジンオイルといった、いわゆる「油外商品」を販売しています。ガソリンや軽油といった燃料油での収益が不安定な中、この油外商品の販売が課題となっているガソリンスタンドは多いはずです。

 21年の間、ガソリンスタンド運営会社に勤務し、転勤などで17箇所のガソリンスタンドを渡り歩いた私も、常に同様の課題を抱えていましたが、ある店舗で私は、ほとんど費用をかけずにタイヤ販売を倍増させました。

 これは当時のスタッフの皆さんが積極的に販売してくれたことが背景にありますが、私が当時のスタッフに求めたことは、今回のコラムで見ていく3つの行動でした。

(1)すぐやる

 ガソリンスタンドでタイヤ販売をするには、タイヤ交換が必要な車両、つまり擦り減ったタイヤを見つけ出す必要があります。そこで、給油中にスタッフがしゃがみ込んでタイヤの溝を点検していると顧客に「勝手に何を見ているんだ?」と不信感を抱かれる可能性があります。

 これが「タイヤの空気圧点検をしましょうか?」と声を掛けるとほとんどの顧客が応じます。これにより、顧客側は空気圧の心配が無くなり、店舗側はタイヤが磨り減っているかどうか、大っぴらに点検をすることが可能となります。よって、当時私が店長を務めていたガソリンスタンドのスタッフには、空気圧点検をするように働きかけていました。

 ここでのポイントは、空気圧点検の声掛けを「すぐやる」ことです。出社して、予め定められた5分程度の簡単な掃除を終えたら、すぐに空気圧点検の声掛けをするようにしていました。

 出社して、他のスタッフ全員に挨拶してから、または、店舗の様子を伺ってから空気圧点検の声掛けをするなど、まごまごしていると空気圧点検をする時間が無くなってしまいます。挨拶をすることや様子を伺うことは、5分間の清掃をしながら済ませて、それが終わったら即、空気圧点検の声掛けをすることにより、点検台数を1台でも増やそうという意識付けが可能となりました。

(2)よくやる

 「よくやる」とは、頻繁に声を掛けるということです。前回の給油時に空気圧点検の声を掛けて、タイヤに異常が無かったとしても、その後、タイヤに釘が刺さるなどのトラブルを抱える可能性はゼロではありません。

 販売効率を求めて、タイヤが売れそうな人や、タイヤが減っていそうな車を見極めて空気圧点検の声掛けをしようとすると、点検の声は掛けにくくなっていき、しまいには声を掛けられなくなっていきます。よって、前回声を掛けてタイヤを点検し、異常がなかった顧客であっても空気圧点検の声掛けをさせるようにしました。

(3)とてもやる

 「とてもやる」とは、たくさん声をかける、つまり誰にでも声を掛ける、ということです。というのも、1,000円分や10ℓなどの給油をする顧客に油外商品販売の声を掛けないガソリンスタンドは多い印象があります。仮に、いつもは満タンに給油する顧客がいたとします。たまたまその日は給料日前で1,000円分しか入れられなかった際に、いつものタイヤ空気圧点検の声掛けがなかったとします。

 この場合、顧客は「満タンの時ばかり声を掛けて…」という不満を抱くでしょう。そのような不満を抱かせないためには、10ℓや1,000円分の給油であってもタイヤの空気圧点検の声掛けはした方が良いわけです。

 そもそも、そのような数量・金額指定給油をする顧客の車両でも溝が擦り減っている可能性は充分にあります。よって、タイヤの空気圧点検の声掛けをして、交換の必要性があったら丁寧に説明をすることにより、次回来店時の交換に繋がる可能性が高まります。

 タイヤ販売において、広告宣伝費が掛けられないのであれば、既存スタッフのマンパワーを活用する必要があります。そのためには、スタッフに具体的な行動を示すことが必要です。今回のコラムでは、ガソリンスタンドがタイヤ販売を倍増させる3つの行動として、(1)すぐやる、(2)よくやる、(3)とてもやる、を挙げました。今後の販売において参考にしていただければと思います。

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