ガソリンスタンドで発生するトラブルを防ぐための人事戦略とは

経営の姿勢

ある一般社員の悩み

 あるガソリンスタンドで働く一般社員A君が持つ以下の悩みに触れる機会がありました。

 顧客からエンジンオイルの交換を受注し、作業を終え、会計を済ませ、顧客が退店して3日後のことです。その顧客が来店し、先日のオイル交換時に車のアルミホイールに傷を付けられたので弁償して欲しい、というクレームがありました。
 さらに、傷のついたアルミホイールだけでなく、4本とも新品に交換して欲しい、また、ホイールだけでなくタイヤも新品に交換して欲しいというのです。

 そこで、A君は、傷を付けたアルミホイール1本は弁償するが、それ以外は弁償できないと言うと、顧客に「このガソリンスタンドは車に傷を付ける店だと言いふらす」と言われたそうです。

 この場合、相手の要求通り、傷の入っていないアルミホイールやタイヤの交換にも応じるべきかどうすべきか、という悩みです。

相手の気持ちも分からなくはないが…

 この顧客の心情として挙げられるのは以下の点だと思います。
 ・ホイールの傷を修理した場合、本当に傷が分からなくなるレベルに修理できるかどうか不安なので、新品に交換して欲しい。
 ・1本だけ新品だとそれだけがやたらとキレイで車の見た目全体のバランスがおかしくなるので4本全てを新品に交換して欲しい。
 ・ホイールからタイヤを取り外して再度ホイールに組み付ける作業は、タイヤのビード部分を裂く可能性があるため、その可能性の低い新品タイヤに交換してほしい。

 しかし、そもそもA君がオイル交換時に傷を付けたかどうかは不明なのです。事実、A君は、傷を付けたことを知らなかったと言っています。
 よって、まず事実関係を調べ、店舗側が弁償せざるを得ないと判断した時は、原状に回復すれば足りるため、傷の補修で対応するべきでしょう。現在の補修技術はかなり進展しており、一般的には、一見して補修の跡が分かるものではありません。

上司に相談できない制度の店舗

 それはともかく、A君に、このトラブルの解決方法を店長と相談したのかと聞くと、給与や査定に響くので相談していないとのこと。これが、このトラブルの元凶です。

 A君は、このクレームがあった時に、即答で「傷のついた1本は弁償します」と言っています。給与や査定に大きなダメージを受けるくらいなら、自腹を切った方が良いと判断したのでしょう。

 想定するに、これまでも似たようなトラブルがあり、同じような判断をしてきたのでしょう。そのようにして、店長や経営者の知らないところで、トラブルは揉み消されていきます。
 このことは、トラブルを個人レベルで解決させており、組織的対応を行いにくくしています。そして、組織内でトラブルの防止策や解決策の共有が活発化されないという結果を引き起こしています。

 トラブルは起こらないに越したことはありません。ですが、不幸にも起こってしまった場合に、店舗として円満に解決するべく、事例を共有することが重要です。その中には、毅然とした対応をする必要もあるでしょう。
 そのような組織風土が醸成されると、トラブルは自然と発生しなくなってくるものです。

 ガソリンスタンドで発生するトラブルを防ぐための人事戦略とは、トラブルを上司に隠さなければならないほどの厳罰が待っている評価制度が含まれたものではなく、ペナルティは些細なものに留め、トラブルが起きた際に、いかに適切な解決行動をとったか、そして、いかに今後の発生防止に繋げたかという点を評価する制度が含まれたものであると考えますが、いかがでしょうか。

トラブル・クレームに関する参考コラム

 ■ガソリンスタンドで発生するクレームを予防するための対応とは
 ■ガソリンスタンドで受注した洗車関連のトラブルを防ぐ方法
 ■店舗で暴力を振るい警察沙汰になった顧客からのクレーム対応

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