ガソリンスタンドで配布した販促物の効果が一時的だった理由

戦略の考え方

1.ガソリンスタンドで配布した販促物の効果が一時的だった理由

(1)ロードサイド店舗が活用するべき販促物とは

 最近はさほど見かけなくなりましたが、かつてガソリンスタンドが開催するイベントとして多かったのが、ボックスティッシュを給油量に応じてプレゼントするというものでした。ボックスティッシュでなければ、マグカップ、食器、ペットボトル飲料、パンといったケースもありました。これらの景品の特徴は嵩張ることや重いことです。

 ガソリンスタンドには、ほとんどの方が車で来店されます。よって嵩張ったり重かったりするプレゼントを渡されても、持ち帰る負担が大きくありません。

 そのような販促物の中で、顧客に人気があったのがボックスティッシュでした。ティッシュペーパーは生活必需品と言え、食品の様に腐敗するわけではありませんので長期間、在庫しておくことが可能で、よほどの量でない限り、ありすぎて困らないものです。また、一部の方を除いて、さほど商品ブランドにこだわりがなく、ティッシュだったら何でもいいという人が多いようです。

 よって、そのような販促物を配布したのは良いのですが、配布中は業績が上がるものの、それを止めると業績が下がるというケースが多々あり、その理由は他店との差別的優位性がないためと考えられます。では、ガソリンスタンドはなぜ差別的優位性がないのでしょうか。

(2)差別的優位性を構築しにくい理由

 ガソリンは他店のものと差別化が困難な商品です。このような商品を売ろうとするために、多くの事業者は、上記のようなプレゼント攻勢か低価格設定で差別化を図ろうとしました。しかし、それらは他店も容易に真似ができるため、結局は決定的な差別化要因とはなり得ませんでした。

 よって、プレゼントや低価格で集めた顧客を、それらに頼らずとも再来店していただけるようにしなければ、プレゼント配布や低価格設定を止めた途端に客離れが始まることになります。では、差別的優位性をどのように確立させれば良いのでしょうか。

(3)差別的優位性の構築方法

 差別的優位性を確立するための一般的な手順は以下の通りです。

  1.  競合の特徴(どんな点が強く、どんな点が弱いのかなど)や顧客の動向(ガソリンや車両維持費の支出額など)といった外部環境を確認する。
  2.  自店が競合より優れている点(強み)、劣っている点(弱み)を明確にするとともに、どんな強みを強化すれば顧客にメリットを与えられるかを検討する。また、どうしても克服しなければならない弱みを洗い出す。
  3.  強化するべき強みの強化策、克服するべき弱みの克服策を検討し、実行する。

 なお、強みが見出せない場合は、それを作り上げる必要がありますので、以下のコラムを参考にしてください。

 【顧客対応に関する強みを作るためのコラム】

 【モチベーションに関する強みを作るためのコラム】

 このようにして、自店の強みを確立させた後にボックスティッシュ配布などのイベントを実施します。費用的に厳しい面があれば補助金の活用を検討しても良いでしょう。

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